エンジニアリング
Engineering
設計段階から参画し、一貫したモノづくりを実現
金属技研では、主に技術開発本部(旧エンジニアリング事業本部)にて設計を行っています。
お客様のご要求内容にもとづいて、エンジニアが設計を行い、その設計の妥当性をFEM解析やモックアップ試験などによって検証し、仕様書や図面にします。その後、当社各工場で所有している製造技術(材料選定、機械加工技術、熱処理・表面処理技術、接合技術など)を駆使して製品を完成させます。
【これまでの実績】
技術開発本部(旧エンジニアリング事業本部)では、加速器と核融合分野の国家プロジェクトに関わる数多くの製品の設計製作を担当してきました。J-PARCの中性子実験に使用される装置や国際熱核融合実験炉(ITER)に使用される装置などが代表です。その他、大学の実験装置関係では、XMASS実験に使用される機器などを担当しました。
機能的にリンクされた万全のネットワーク
金属技研の研究開発・技術開発は、技術開発本部(旧エンジニアリング事業本部)が中心となって、いくつもの工場と連携し、それぞれ得意な製造技術と結びついて、製品が産み出されていきます。
そして、それらの製品が、お客様を通じて社会貢献に寄与するものと考えています。
加速器 - 代表例
衝突点ビームパイプ
日本の素粒子物理学実験を牽引する巨大加速器であるSuperKEKBにて使用される複雑な構造を持った真空チェンバーです。この加速器は電子と陽電子の衝突型加速器で、電子と陽電子が正面衝突する最も大切な部分に本製品は据え付けられます。本製品の中心部は衝突により発生した新たな粒子が透過しやすいように物質量の小さい薄肉のベリリウムを使用しており、冷却のため二重構造とし、その間に冷媒が流されます。両端部には他の場所から飛んでくるノイズとしての粒子などが検出器に入らないように物質量の大きいタンタルを使用してノイズをシールドしています。電子と陽電子は浅い角度で交差していますので、この2つの軌道を通すために両側が二股構造になっています。
核融合機器 - 代表例
電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH)用
ミリ波広帯域偏波器
量子科学技術研究開発機構(QST)、茨城大学(三枝研究室)、当社の3者による共同研究を行い、超伝導トカマク型プラズマ核融合実験装置JT-60SAのECH(電子サイクロトロン共鳴加熱)に用いられるメガワットレベル対応の「ミリ波広帯域偏波器」を開発しました。
今回開発に成功したミリ波広帯域偏波器は、プラズマを加熱するための大電力ミリ波(周波数:110GHz、138GHz)を高効率で伝送でき、かつ回転可能な反射型回折格子付きの金属ミラーによって、任意の偏波を生成してプラズマに入射することができます。
本共同研究前に開発されたプロトタイプ型と比べると、熱損失を50%以下に低減するとともに、約4kg減の小型軽量化、また冷却効率の向上が達成できました。
実験装置 - 代表例
XMASS実験用PMT支持容器
本製品は、Newton5月号(2010年)に写真が掲載された東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子実験施設に納入しました当社担当のXMASS実験用PMTホルダーです。材質は、無酸素銅を用い、宇宙線による放射化を防ぐため、溶解後90日間で製品として完成させました。
FEM解析プログラム
ANSYS Mechanical
構造解析、熱解析:外力・自重および熱の条件を与えた構造解析に活用
非線形領域での構造解析:SPF(超塑性加工)のシミュレーションや高温での構造解析など非線形領域に活用
流体解析:流体の流れを見極めて設計に活用
ANSYS Maxwell
電磁力解析:過渡現象を含め電磁界中の外力を求め、構造設計に活用