熱処理
Heat Treatment
熱処理とは?
熱処理とは、金属材料を加熱、冷却することで材料の性質を変え、使用目的にあわせた処理のことです。
金属技研では、1972年に時代に先駆けて真空熱処理炉を導入し、現在では日本国内で最大級の真空炉をはじめ数多くの設備を保有。材料特性を生かした理想的な熱処理に取り組んできました。
熱処理で
実現できること
強度と硬度の向上
金属材料の結晶構造が変化し、強度や硬度を向上させることができます。例えば、焼き入れ処理によって表面硬化を実現し、耐摩耗性や耐食性を向上させることができます。
耐熱性の向上
材料の結晶粒径を制御することで、耐熱性を向上させることができます。特に高温での使用が必要な部品やツールにおいて、耐熱性の向上は重要な要素となります。
軟化と延性の調整
適切な熱処理パラメータを選択することで、金属材料の硬さや脆さを調整し、軟化や延性を向上させることができます。これにより、加工性や形成性が向上し、部品の加工や成形が容易になります。
応力緩和
熱処理加工は、材料内部の残留応力を緩和する効果があります。特に溶接や鍛造などの加工工程後において、材料内部の応力を解消することで、部品や製品の歪みや変形を防ぐことができます。
表面改質
表面改質処理としても利用されます。例えば、窒化処理や炭素窒化処理などの表面改質を施すことで、表面硬度や耐摩耗性を向上させることができます。
寸法安定化
材料の結晶構造や応力状態を安定化させることができます。これにより、部品や製品の寸法安定性が向上し、使用環境の変化に対しても高い精度を維持することができます。
金属技研で対応可能な熱処理
真空熱処理
部品および素材の溶体化処理、固溶化処理、析出硬化処理、安定化処理、焼入れ、焼戻し、焼鈍、焼ならし、応力除去、焼結、拡散処理など。
金属技研では真空炉を25基以上保有しております。
処理目的
- 部品の耐摩耗性、耐食性、機械的特性および物理特性の向上。
特徴
- 無酸化処理であり熱処理後の加工が不要
- 多室型真空炉で酸化を嫌う金属の熱処理
- 大型真空炉の保有で、最大2,000mm角の大型部品および大量生産が可能
- 変形、歪の少ない熱処理が可能
縦型一室式真空炉
Φ2,000×3,500H mm
横型二室式真空炉
380W×610L×300H mm
三室型横型真空炉
1200W×2000L×900H mm
雰囲気熱処理
部品および素材の熱処理、選択酸化処理、窒化処理、浸炭処理、サブゼロ処理など。金属技研では雰囲気炉を40基保有しております。
処理目的
- 機械的特性および物理特性の向上。
部品および材料への水素吸蔵。各種雰囲気ガスを利用した表面改質処理。
特徴
- 活性ガスの水素、非活性ガスのアルゴン、窒素雰囲気中での熱処理が可能
金属技研の熱処理が選ばれる理由
高品質
- 宇宙・航空機、原子力関連などのスペック適用部品の処理が可能
- 設備管理、温度管理および特殊工程の維持管理と万全の品質保証体制
- Nadcap(国際特殊工程相互認証制度)を滋賀工場と姫路工場、中国現地法人の坂上金属技研(蘇州)有限公司にて認証取得
- 金属熱処理技能士取得者1級7名、2級94名、計101名(2022年2月末現在)
経験×技術力
- 創業以来、半世紀にわたる熱処理の実績、過去および最新の技術データベースの保有
- 設備管理、温度管理および特殊工程の維持管理と万全の品質保証体制